2013年4月14日日曜日

本のお話23 聖骸布血盟

フリアナバロの「聖骸布血盟」

トリノの大聖堂に保管されている聖骸布が、修復を終えて、
最近一般公開されたニュースを聞いて引っ張り出してきた
のが、この聖骸布血盟。

聖骸布とは、イエスキリストが磔処刑された後、その亡骸を
包んだとされる布のことで、生々しい傷を負ったイエス
キリストの姿形が、転写されているかの様に、はっきりと
その亜麻布に写っています。
それが本物か偽物かの研究や議論が、今もずっと続けられて
いるそうですが、その真偽にかかわらず、カトリック信仰の
象徴として大切にされているそうです。

これは、その聖骸布をモチーフにした壮大な歴史ミステリー
小説で、スペインのジャーナリスト、フリアナバロの処女作
にして、大ベストセラーとなった作品です。

この聖骸布を巡って起こって来た謎の事件を解明しようと、
美術品特捜部や新聞記者が命がけで奔走した結果、最後に
真実にたどり着くことが出来たけれど、その代償が、あまり
に大き過ぎた感じです。
職務上の責任だけでなく、真実を追求したいという強い興味
や止められない好奇心はわかるけど、私なら、命を危険に
晒してまでは知りたくないなあ・・・・

前書きに「この聖骸布を巡っては、2度の火災と、幾度もの
不審火に見舞われ、窃盗未遂事件も後を絶たない」と書かれ
ています。
実際に起こった歴史上の出来事と、フィクションを織り交ぜた
小説ならではの面白さがありました。これはお勧め!!

この上下巻を並べると、1つの絵になってます。