2013年4月30日火曜日

本のお話28 氷点

三浦綾子第3弾「氷点」。

「氷点は1964年に朝日新聞の懸賞小説で選ばれた作品で、
それまで無名だった三浦綾子が、この当選で一躍脚光を
浴びた」と巻末の解説に書かれています。
世間の注目と話題を呼んだのは、懸賞金の額が当時にする
破格だったことと、当選作、氷点のテーマが「原罪」だった
ことが理由とされています。

罪ではなく原罪?原罪って何??って感じですが、
「原罪はキリスト教の教理の1つで、アダム堕罪の結果、
その子孫である全人類が生まれながらに負わされた罪」と
説明されています。
「イブが禁断のりんごを取り、アダムが従ったことで神の命
に背いたが故に、宿命的な罪が人間性の中に巣くうことに
なった」という話で、これが原罪だそうです。
知らなかった!!なんだか難しいね。

読んだのはずっと昔ですが、陰湿な物語だなあと思った記憶
があります。
夏枝の陽子への怨念やどろどろした嫉妬もだけど、それ以上
に、人格者とされている辻口啓造が卑劣に思えました。

昔から、色んな人が演じてドラマや映画になった様ですが、
私が見たのは浅野ゆう子主演のドラマだけです。
50年近くも前に書かれたものなので、ドラマは当時の今風
にアレンジされていました。
浅野ゆう子の夏枝や三浦友和の啓造は、小説の辻口夫妻より
はまだ温かみがあった様に思います。
確か、鬼束ちひろの「インフェクション」がテーマソング
だったなあ。

旅行先で氷点のドラマを見ようとしたら、お父さんが「子供
たちを風呂に連れて行かないといけないから、家に帰って
から録画を見るように」と言ったので、渋々その場で見るの
は諦めました。それが!!帰って見たら、お父さんの予約
録画が多くてテープが足りず、氷点は録れてなかったという
ショックな出来事があって、その時はほんとにがっかり
しましたよ('_')