福井晴敏第2弾は「川の深さは」
これはtowelve Y.O.の続編ですが、
主人公や登場人物のほとんどが、
入れ替わっています。
twelve YOは主人公が元自衛隊ヘリ
のパイロットで、今は自衛官になる
若者の勧誘をしている職員に対して、
川の深さは、は主人公が暴力団担当
の元警官(まる暴)で、今は警備員
という設定になっています。
これに限らず、この人の作品の主人
公はどれも、体が大柄で、元来、
親分肌で包容力がある人柄で、
命がけの使命を負った少年と出会い、死に直面する危機に
巻き込まれながらも、その少年を助け、共に戦っていく中
で、失っていた情熱を取り戻し、生きる意味を再確認して
いくところが、共通しています。
この人の作品が難解なのは、常に軍事用語が飛び交って
いるだけでなく、表現や登場人物の考え方が哲学的な上に、
戦略の意図や思惑に裏があるどころか、更にその裏があったり
するからで、そう言った難しい背景は、すぐに忘れてしまい
ます。
でも、人間ドラマとしてのストーリーは、まあまあ面白く、
読み応えがあると思います。